ブログ・コラム
2025.03.25
「図書館」という言葉では収まらない心地よい“場”
三島市で活動している「あひる図書館」の講演を聞いてきた。
「図書館」から想像できる枠を超える内容で、たくさんの気づきをもらった。
「読まなくてもいい図書館」
あひる図書館は、オーナーたちが“推し本”を並べた本棚が特徴。
誰かの好きが可視化された棚を眺めるだけでも楽しいし、そこから話が広がることもある。
飲食もOK、会話もOK、持ち込みもOK。
従来の“静かで厳粛な空間”としての図書館像とは正反対の、やわらかくてにぎやかな場。
「無理しない運営」と「ゆるやかな関わり」
印象的だったのは、関わり方のグラデーション。
月額2,000円を支払ってオーナーとして関わる人もいれば、ふらっと立ち寄るだけの人もいる。
お店番のボランティアも、気が向いたときに入ればいい。
「運営側が無理をしない」「楽しく活動する」ことが場を継続させる秘訣という。
お金や時間を使ってでも関わりたい人たちで作る場所には、独特の熱量がある。
図書館ではあるけれど、本を通じて人と人がつながっていく、“本を媒介にしたコミュニティ”という感じがした。
「地域との接点」や「偶然の重なり」が面白さをつくる
あひる図書館では、地域のイベントや地元団体とのコラボ、学生との連携なども積極的に行われている。
そうやって外へ開かれているからこそ、新しい出会いや偶然のつながりが生まれる。
「人が集まる場をどうつくるか」
何かを一方的に“提供する場”ではなく、みんなで“つくっていく場”。
その緩やかな共創のあり方が、今の時代にはフィットするのかもしれない。