ブログ・コラム
2023.08.24
常識を疑え トラスコ中山
経営戦略セミナーでは
トラスコ中山の中山哲也氏の
お話しも聞けました。
教科書にない経営
~教科書通りでうまくいくなら世の中は成功者で溢れている~
というお題。
なかなか、逆説的なタイトル。
船井総研の研究会で、
こんなタイトルの講演いいのかな(笑)
工具卸売業として昭和34年創業だが
業界最後発という同社。
新規参入ゼロの成熟産業で
いまもなお成長を続ける。
経営課題に直面しても教科書開いたり人に聞くこともない。
おもしろい答えが世の中にはたくさんある。
業界の常識にとらわれない改革をしてきたという。
社長になって29年間にやってきたことを
本当に時間いっぱい教えてくれた。
もう数時間、話しを聞いていたいくらいだった。
そして、世の中で言われていることとは、
真逆なことだらけだった。
PER、PBR、ROE、在庫回転率に基づく経営というが、
そんなのは、すべて自社の都合。
在庫出荷率(92%)を最大の経営指標としている(顧客のためになる)
いただいた注文を、どれだけ(在庫から)即納できるか。
在庫大好き、在庫回転率くそくらえ!(笑)
「在庫は少ないほうがいい」というが、本当なのか?
買う側から見たら、在庫は多いほうがいいに決まっている。
在庫を持つことで、会社に様々ないい効果があった。
まずは、残業の激減で、ホワイト企業になった。
かつては、ブラック・暗黒・漆黒企業だった(笑)
注文の86%はシステムによる受注。
在庫があれば、手間かからず受注確定できる。
発注の手配や納期確認は手間がかかる。
取り寄せる必要もない。
即納、個別受注できることで、
同業他社・ライバル企業がお客様になった。
在庫+物流+デジタルで
ネット通販向け売り上げが急拡大。
これらは、すべて在庫を持つことにより実現(他の努力もあっただろうが)
また、会社をよくするには、悪いところをなくし続けること。
よくなることをすれば、よい会社になると思うのは妄想という。
業界の常識、定説、定石、先輩の言いつけ通りでは成長できない。
「それって、ほんとうか?」とつぶやくようにしている。
やめる経営戦略も重要。
手形取引、請求書、物品受領書、取引先懇親会、ISO14001認証取得卒業、売り出しセール、などなど廃止
残念ながら、根性、努力、熱意だけでは、
便利さには勝てない時代となった
「あなたの会社は便利ですか?」
の問いに、会社としてどう答えられるか。
会社の目標としては、
数値目標と能力目標という2つを持つ。
どんな能力を持った会社になりたいかが能力目標。
数値目標だけでは、やるべきことが見えてこない。
能力目標を語ることから「DX」は始まる。
どんな能力目標を達成するにも、デジタルの技術が必要となる。
結果として、DXが進む。
耳の痛い話しもあった。
社長の労働時間と業績は比例する!という。
人任せでは会社はよくならない(すいません!)
社長の最重要能力は、「独創力」
誰もが思いつかないところに、チャンスが潜んでいる。
働き者の社長の会社は伸びる。
「取捨銭択」から「取捨善択」へ
損得の結末は最終的には失敗に終わる。
善を選ぶ。
だから、社員は正規雇用を原則とする。
人の人生のいいとこどりはしない。
財務的には、バランスシートを(も?)重要視。
B/Sを見れば、社長の性格がわかる。
P/Lは外見、B/Sは中身。
バランスシートを経営指針に入れてなかったなと反省した(長岡)
誰もが思いつき、進む方向に成功はない。
多数決の答えは、たかが知れている。
経営者には独創力が必要。
そのためには、ひとの10倍考えることから始まる。
理想の会社はといえば、
「トラスコから買わざるを得ない」と言われる会社になりたい。
すかれる、愛される会社に戦略は必要ない。
ここも、普通と違う。
買わざるを得ないとなるためには、他にはない明確な強みが必要で、
そのためには、確固たる戦略が不可欠ということか。
私が最も感銘を受けたのは人材のところ。
人材育成については、
人は育てられない。「自覚に勝る教育無し」という。
これは本当に痛感するし、私も同じ考え。
人から言われても変わらないが、
自覚をすればおのずとその人は変わるチャンスを手に入れることができる。
変わるかどうかは、行動するかどうかにかかっている。
人を変えることはできないが、
人はいつでも変わることができる。
この私が、この年で、ダイエットに目覚め、
早朝から筋トレをし、
定期的に健康チェックを受けるのだから。
世の中にレーダーチャート正六角形の人材なんているわけがない
いびつな能力を持った人間の組み合わせが経営だと思う
他にも、本当に書ききれないほどの話しをしていただいた。
メモはまだまだあるが、
要点だけまとめてみた。(と言っても、かなり長文)