ブログ・コラム
2023.03.03
なぜ事業承継をするのか?
先日、同友会沼津支部で
事業承継をテーマに
パネルディスカッションを実施した。
私は、コーディネータを務めたが
参加者から
「何のために事業承継をするのか?その目的は?」
と聞かれて、答えに窮した。
考えに考え出た私なりの答えは、
「せっかく私が作って、みんなでここまで続けてきた会社を
後世に残したい気持ちが半分。
いま働いてくれている社員さんを途中で放り出すことになり、
”長く働いてきた結果がこれですか?”と言われたくない気持ちが半分」
と答えた。
今回の全研(同友会の全国大会のようなもの)の
ディスカッションでその経験を話すと、
ある同友会の代表理事が、こういわれました。
「そんなことで迷わないでください。
事業承継はしなければならないのです。
事業承継をしなければ、
その会社と事業が消える。
その会社に頼んでいる会社が、依頼先が消える
その会社から発注を受けている仕事が消える。
そこで働いている人の雇用が消える。
そこで回っているお金が回らなくなる。
その地域の経済循環が止まる。
中小企業は、その地域経済を担ってます。
だから、事業承継はしなければならないのです。
継ぐ人がいない、それであれば継ぐ人を探します。
働く人が足りないと言えば、働いてくれる人を探す。
それでも継ぐ人がいない事業は、私が事業を引き継いだ。
そうして、地域に事業を残してきた。」
その代表理事は、
自分が興した事業はすでに事業承継済みだが、
引き継ぐ人がいない他人の会社を
3社も引き継いでいる。
そうして事業を地域に残している実践者。
事業承継をするかしないかで悩んでいるのは、
その地域が恵まれているからだとも言っていた。
会社が少ない地域では、
1つの会社や店舗が消えることは、
地域に与える影響は大きいともいう。
事業承継は、地域のためでもあるということを知った。
それとともに、私の気持ちは、まだそこまでは達していないことも実感した。