ブログ・コラム
2021.09.13
基準は、ちゃんとやる人?それともやらない人?
先日、ある人と話しをしていて、
日本中あらゆる仕組みが、ちゃんとやらない人を基準にしているので、
ちゃんとしている人、率先してやる人にとっては、不自由極まりない世の中になっている。
という話しになりました。
なるほど、確かにそうですね。
何か問題が起きる。
責任者がお詫びとともに、再発防止を徹底すると釈明する。
すると、再発防止のための、厳しく面倒なルールができる。
以前にこんなことがあったそうです。
高齢の父親が外出したまま帰ってこない。
持病を持った父親なので、薬を定期的に飲まないと命が危ない。
どこへ行ったかわからないため、携帯電話会社に父の居場所を電波で確認してほしいと依頼。
しかし、携帯電話会社からは、本人の同意がないと教えられないという。
交渉の結果、警察からの協力要請があれば情報を出せることになった。
そこで警察に行ったら、本人の同意か携帯電話会社から連絡が必要とのこと。
本人が同意できるわけがないので、携帯電話会社に依頼すると、携帯電話会社からは連絡できない。警察から連絡してもらい、協力要請を出してもらってくれ。
以下、無限ループ。
結局、この人の父親は、数日後に遺体で発見されたそうです。
警察も、携帯電話会社も、そういうルールになっているのでしょう。
そういう意味では、正しい行動だったのだと思う。
いわゆる、個別最適だ。
しかし、それが全体としてうまく機能したかと言えばNo。
行方不明になった父親を息子が捜すことができずに、命を落とすような世の中がいいわけがない。
つまり、全体最適が損なわれている。
いろんな問題があり、それぞれ、そのようなルールになっている。
なんとなく、想像はできるし、理解もできる。
しかし、その結果、暮らしにくい世の中になった。
こういう事例は、会社経営にもそのまま当てはまるんですよね~。
ルールでガッチガチに縛る経営か、自由でのびのびを社員とコミットする経営か。
前者は、凡ミスや不正は無くせる。
その代わり効率悪化、イノベーションは起きない、仕事楽しくない、モチベーション下がる、いい人材から辞めていく、不満ばかりになる。
対して後者は、多少のミスや不正は残る可能性がある。
しかし、ちゃんとコミットできれば、効率よくなり、いい人材が生き生きと働く。
たまに変な意見がでたとしても「それって変だよね」という認識が社員間にできるので、
不満ばかりということにはならない
前者は、マイナスをゼロに近づける経営で、後者はプラスを伸ばす経営。
マイナスは、がんばって減らしてもゼロにしかならないが、
プラスは青天井で延ばせる可能性がある。
間違いの少ない会社と、魅力の多い会社、あなたはどちらを選びますか?
各社が、どちらを目指すかは、トップしだい。
私は後者の会社が好き。
私たちアーティスティックスはそういう会社でありたいし、
それを良しとするメンバーと一緒に、仕事をしていきたい。
だからこそ、私は安易にルール化しないようにしているし、
社員みんなには、私になくても済むようなルールを作らせないようにしてくれと、
常日頃から、お願いをしている。
最近はみんな理解してくれているので、言う機会は減ったが、
経営指針書にもこれは明記してあり、経営指針発表会の時は、社員みんなで確認をするようにしている。