ブログ・コラム

2021.02.15

社員みんなで作る経営指針書

本日は月に1回の全体会議。

議題は、2021年4月から始まる、

第28期の経営指針書についてです。

 

私たちアーティスティックスでは、

経営指針書を、社員全員で作ります。

 

部門長が当社には4人います。

この会社のトップクラスの人たちで、

会社運営のカナメのメンバーです。

このメンバー+社長の私で、SWOT分析をします。

会社の強み・弱み、置かれている外部環境の機会や脅威について

ポストイット(実際にはオンラインツールだけど)を使って意見出しをします。

 

これに加えて、市場の状況やこれからの時代の流れを考えます。

いろんな話しを聞く機会が社員さんより私は多いので、

未来を見据えるのは私の重要な役割です。

これを見誤ると、社員みんなを、

時代の荒波に放り出すことになります。

 

いろんな情報を取りながら、

自社の特性も加味しつつ、

基本は、SWOT分析の機会に自社の強みをぶつける、

これを基本に考えます。

市場の変化はどうか。

どんなチャンスがあるのか。

それらに、自社の強みをぶつけるには、

どんな事業展開が考えられるのか。

そんなことを考えながら、

時代の流れを考えます。

 

これに基づいて、来期は2つの最重点改題を設定しました。

きょうは、その最重点課題に基づいて、

各部門がどんなことができるのか。

何を目指すのかをディスカッションしました。

時間があまりなく、30分程度ではありましたが、

最後に、各部門の出た意見を共有しました。

 

期待以上に前向きで具体的な意見が

各部門から上がってきました。

それらをみていて、

アーティスティックスは、とても強い会社になったなと・・・

社員みんなで経営指針書を作ることは、

私にとっての悲願でもあり、

トラウマでもありました。

 

その昔(13~15年ほど前でしょうか)、

社員全員で経営指針書を作ろうとしたことがありました。

社長の思い付きで、きゅうに経営指針書を一緒に作るぞと言われた社員はどうでしょうか。

きょとんとして、なにをしていいかわからず、

前向きな意見も出ませんでした。

そりゃ当たり前ですよね。

 

それを、未熟だった私は、こういいました。

「せっかく経営指針書を一緒に作ろうとしているのに、

みんなが意見を言わないんだったら、もういい。

私一人で作る!」

そう、自分で広げたテーブルをひっくり返したのです(本当のテーブルはひっくり返したりはしてないですよ)

 

そこからは暗黒の時代。

社長と社員の関係はどんどんと悪化。

ことあるごとに、いろいろともめました。

私もリーダーとして未熟で、

それらを、社員のせいとしか考えませんでした。

 

リーダーを中心に、社員さんたちが、次々に辞めていきました。

会社の雰囲気は悪い。

次はだれが辞めるのか、疑心暗鬼です。

たぶん、社員さんたち同士は情報交換をしていたでしょう。

知らないのは私だけ。

そんな、苦しい時代でした。

 

当時の私は、リーダーとして非常に未熟で、

原因を自分の外に求めました。

自分は悪くない。

悪いのは社員だ。

変わるべきは社員であって私ではない。

そのように考える社長のもとで、

いきいきと働いてくれる社員がいるでしょうか。

 

それら一連のごたごたを通して、

いい意味で、私はあきらめができたと思います。

あきらめというと聞こえが悪いですが、

肩の力を抜くことができるようになったといったほうがいいのかな。

 

多くの社員が辞めましたが、

それでも、残った社員のほうが多かったです。

私は、残ってくれた社員さんが、

「あぁ、あの時迷ったけど、辞めなくてよかった」

と思ってもらえる会社をもう1度作り直そう。

この人たちとやり直そう。

みんなが理解し、共感できる言葉を使おう。

それを受け止められるタイミングまで待とう。

みんなと歩調を合わせて、共に成長していこう、と。

 

そのタイミングで、私は経営理念を

「共に成長」

に、書き換えました。

その時の気持ちと決意をけっして忘れないように、です。

そして、これは、私と社員さんとの約束でもありました。

自分の思い通りにしようとするのをやめたことで、

少しずつではありますが、

自分の思うような会社に、

一歩、また一歩近づけるようになりました。

 

そして、ここ数年は、

部門長(リーダー)を中心に、

全社員さん、もちろんパートの人も含めた全員が

経営指針書の策定に参画できる会社になりました。

大変な状況であっても、

その中には、前向きで自発的な意見が

社員さん自らの手で盛り込まれていきます。

長い時間がかかりましたが、

やっと、ここまで来たな~と。

私にとって、感慨深いものがあります。

だからこそ、

「この会社に残ってよかったな~」

と思ってもらえる会社を作っていきます。

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