ブログ・コラム
2021.01.08
経産省 DX加速への中間報告書『DXレポート2』公表
経済産業省では、2018年9月にDXレポート公表以降、DX推進ガイドラインやDX推進指標を公開してきました。
そして今回、DXレポート2(中間報告)が出てきました。
とても興味深いレポートなので、読んでみました。
レポートによると、95%の企業はDXにまったく取り組んでいないか、取り組み 始めた段階であり、全社的な危機感の共有や意識改革のような段階に至っていない。先行企業と平均的な企業のDX推進状況は大きな差がある。
部門横断的にDX推進し、持続的に実施しているのは、わずか5%。
しかもこれは、DX推進指標の自己診断に取り組み、結果 を提出した企業の中での話し。
水面下には診断結果を 提出していない多数の企業があることを考えると、その状況はもっと悪いことになる。
それでも、自社のデジタル化に関する取組状況を「トップランナー」と評価する企業が約4割。
一報で、現在のビジネスモデルの継続を前提としている企業、部分的なデータ分析にとどまって いる企業が多く、変革への危機感の低さが表れている。
緊急事態宣言(7都府県)を受けて、テレワーク導入率は3→4月の1ヶ月間で2.6倍と大幅に増加した。
これは、経営トップのコミットメントの下でコロナ禍を契機に、速やかに大きな変革を達成した。
テレワークをはじめ社内のITインフラや就業規則等を迅速に変更してコロナ禍の環境変化 に対応できた企業と、できなかった企業の差は、押印、客先常駐、対面販売など、これまでは疑問を持たなかった企業文化の変革に踏み込むことができたかが、その分かれ目。
事業環境の変化に迅速に適応すること、その中ではITシステムのみならず企業文化 (固定観念)を変革することの重要性が明らかになった、としている。
つまり、DXは、単にITシステムの話しではなく、企業文化を変革することだと結論付けています。
ここは、非常に重要です。
どんなにITを導入したとしても、企業文化の変革が行われなければ、その効果はまったく発揮しないどころか、無駄なものが増えるだけです。
このような事例は、私たちもたくさん見てきました。
コロナ禍によって人々の固定観念が変化した今こそ企業文化を変革する機会です。
こんなチャンスはありません。
ビジネス における価値創出の中心は急速にデジタルに移行しており、今すぐ企業文化を変革し ビジネスを変革できない企業は、デジタル競争の敗者になってしまいます。
ビデオ会議システムがどんなに便利だと知っていても、ほとんどの企業で導入が進みませんでした。
顧客に対しても、ビデオ会議を提案すると、「なんだ、わざわざ足を運ぶ気がないのか」と機嫌を損ねられるのではないか?という心配もあり、そんな提案はなかなかできませんでした。
しかし、コロナ禍だからこそ、Zoomなどのビデオ会議を顧客に提案するチャンスです。
いまなら、多くの人が受け入れてくれます。
これにより、自社も顧客も、時間の節約になり、ひいては生産性の向上につながります。
そして、移動時間がなくなり空いた時間を使って、もっと付加価値の高い、人にしかできない仕事に取り組めばいいのです。
「DXの取組を始めている企業」と「まだ何も取り組めていない企業」に二極化しつつある状況です。
これだけ人々の価値観が変化するときこそ、行動を変えるチャンスです。
好調の時には好調時にやるべきことが、世の中が乱れたときにはその時にやるべきことがあります。
このチャンスを逃さず、自社のDXに取り組みましょう。
出典:経済産業省